工事詳細
工事区間
守口市大久保町1丁目地内〜寝屋川仁和寺本町4丁目地内
発進基地
シールド掘進には、以下の設備が必要となります。
①切羽の安定を図る設備 ②掘削した土砂を搬出する設備 ③資機材を搬入・運搬する設備 ④作業環境・周辺環境を維持する設備 ⑤電力等の動力設備
これらの設備は、事前の地質調査データとシールド発進基地周辺の施工条件に基づいて選定されます。シールド掘進を安全かつ効率的に進めるため、限られたシールド発進基地内に多種多様な設備をパズルのように工夫して配置します。
発進立坑
発進立坑(完成)
発進立坑は内径φ12.6m、深さ23.7m、壁厚1.5mの円筒状で、鉄筋コンクリートで造られています。この内部からシールドマシンが発進しますが、発進坑口の仮壁を撤去する作業は地山の崩壊や水没等の事故の危険性が高いため、シールドマシンで仮壁を直接切削できるよう、一部をシールドマシンで切削しやすいFFU材※で置き換えています。
※FFU(Fiber Reinforced Foamed Urethane)は、硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で強化したものであり、高強度で耐久性に優れています。
分⽔⼈孔
分水人孔 No.3
分水人孔 No.7
既設の下水幹線と今回施工するシールドトンネルを接続するための地下構造物です。分水人孔は、ケコム工法で構築する立坑部分、刃口推進工法で構築する横坑部分、および既設の下水幹線からの取水量を調整する越流堰で構成されます。
掘進を完了したシールド機は、カッターチャンバー内の泥土をセメントミルクに置き換えます。また、シールド機内の機械設備を全て撤去し、セメント系の材料で隙間なく充填します。
これらの対策により、地盤沈下の発生を防止します。
ケコム工法
ケコム工法は、全周回転圧入機を使用し、円形の鋼管内部を専用バケットで水中掘削し、主にその自重により圧入して立坑を構築する工法です。この工法は、在来工法に比べて低振動・低騒音であり、上空制限が少ないため、市街地での施工に最適です。
主要機械
泥土圧式シールドマシン
シールドマシンの通過土層は沖積層の軟弱で流動性のある粘性土および崩壊性の砂層から、10cm程度の礫を含む洪積礫層まで硬軟変化に富んでおり、また可燃性ガスの存在も確認されています。これにシールド発進基地の条件と経済性を加味し、密閉型の泥土圧式を採用しました。
当マシンの特徴として、発進部における仮壁直接切削と洪積礫層に対応した耐摩耗性と耐衝撃性に優れた強化型先行ビットの採用、取り込み能力向上を目的としたリボン式とシャフト式を複合したスクリューコンベアの採用、洪積粘性土層に対応したカッタートルクの増大と混練り性能の向上、振動騒音対策としてスキンプレート下半への滑材充填用溝の複数設置などが挙げられます。
シールド
シールドジャッキ
1000kN×1650st×35MPa×13本
総推力
13000kN(1449.0kN/㎡)
中折ジャッキ
1100kN×190st×30MPa×10本
地山崩壊探査装置
25kN×200st×5MPa×1本
カッタ
トルク
常用957kN・m
最大1165kN・m(α=30.2)
回転数
常用1.72r.p.m
最大1.49r.p.m
コピーカッタ
105kN×100st×21MPa×1本
スクリュ
排土能力
28.2㎥/hr(φ450・軸付式)
回転数
最大8.7r.p.m
トルク
26.2kN・m×22MPa
ゲートジャッキ
105kN×380st×21MPa×4本
エレクタ
形式
リングギア油圧モータ駆動方式
回転数
最大1.0r.p.m
セグメント供給装置
スライドジャッキ
65kN×1520st×21Mpa×1本
主要材料
コンクリート中詰鋼製セグメント
内水圧に対応しかつ高い耐震性能が要求されるため、外主桁の板厚40mm、中主桁の板厚60mmの4本主桁構造としたコンクリート中詰鋼製セグメントを採用しました。セグメントの厚さが抑えられ、トンネル外径の縮小を実現しました。
リング間継手にボルト締結作業が不要なプッシュグリップ継手を採用したことで、セグメント組立時間の短縮とボルトボックスの充填作業が不要となり、工程短縮を可能とします。
セグメント間継手は、内水圧や地震による大きな引張力が生じるので、高強度の接手構造として実績が多いボルト継手を採用しました。
中詰コンクリート打設前
中詰コンクリート打設後
リング間継手であるプッシュグリップは、下図のようなオス側とメス側の金物から構成されています。
施工管理
近接影響防止対策としての掘削土量管理
近接影響防止対策として、掘削土量を適切に管理する必要があり、そのため掘削土量をリアルタイムかつ正確に計測することが求められます。計測精度向上のため、複数の方法で計測し総合的に管理します。
新しい試みとして、重量計量ホッパーと3D-LiDAR※を組み合わせ、掘削土の重量と体積をリアルタイムに、より正確に計測するシステムを採用しました。
※3次元的にレーザー光を照射し対象物までの距離や方向を測定することで、その形状や位置を把握することができるセンサー
3D-LiDARで作成した掘削土の3D点群データ
掘削土量管理状況
工事工程表
工期:令和4年10月7日〜令和8年7月31日
年月 工種 |
令和4 | 令和5 | 令和6 | 令和7 | 令和8 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | |
準備工・家屋調査 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地盤改良工 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シールド工 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
防音ハウス解体工 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
発進立坑躯体工 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分水人工(No.3) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分水人工(No.7) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
後片付工 |